20年春夏パリ・コレクション 様々な断片重ねながらきりりと=メゾン・マルジェラ

2019/09/27 06:30 更新


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 【パリ=小笠原拓郎、青木規子】20年春夏パリ・コレクションは、色や柄を重ねながら、過剰にはなりすぎない適度なバランスで見せる傾向が広がっている。抽象柄に透ける素材を重ね、カットアウトのディテールを加える。あるいはミニマルなコンビネゾンにクリノリン風の布を加える。いくつもの要素を掛け合わせながらも、決して過剰な装飾には見えず、きりりとした仕上がりになる。そんなイメージが新鮮だ。

(写真=大原広和)

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 メゾン・マルジェラは7月のオートクチュールで見せたテクニックをプレタポルテのなかに散りばめた。抽象柄と透ける素材、カットアウトとジェンダーの超克。この間の象徴的な要素を高い次元でミックスしていく。

 ジャケットはケープのようにスリーブを再構築、ドレスやコートはドット柄にカットアウトし、ほかの要素を透かして見せる。チェックやヘリンボーンのコートは、ところどころの生地が剥がれたかのように白く浮かび上がる。

メゾン・マルジェラ

 ニットベストと重ねたショートパンツのコンビネゾンは、後ろにクリノリンのような膨らんだ布を飾る。ミリタリー、水兵、修道女、様々なスタイルの断片が取り入れられコラージュされながら、決してやり過ぎないバランスに仕上げられる。

 ジャケットやライダーズジャケットに見られるデコンストラクト(解体再構築)、アノニマス(匿名性)を感じさせる白いペイントなど、マルタン・マルジェラの作り出した世界をきっちりと踏襲しながらも、そこから先の展開をロジカルに突き詰めていく。そこにジョン・ガリアーノの豊富な知識とセンスの良さを感じることができる。

メゾン・マルジェラ

 ドリス・ヴァン・ノッテンがショー会場に選んだのは、バスティーユにある新オペラ座。コンクリートの吹き抜けの空間に、椅子の上に赤い一輪のバラが置かれている。シューベルトのピアノ三重奏曲の静かな音色に合わせて、色と柄を巧みに組み合わせた新作が現れる。

 金ボタンのスタンドカラージャケット、レパード柄のトップと花柄スカート、テープ状の抽象柄のグラフィカルコートなどが次々と出てくる。ドットとタイガー柄を組み合わせ、抽象柄とドットのラッフルを重ねる。刺繍のミリタリージャケットにはギャザードレープスカートをコーディネート。斜めに走るたっぷりのフリル、コクーンフォルムのトップ、フェザーのヘッドピース、種々の要素とクチュールテクニックがミックスされていく。

ドリス・ヴァン・ノッテン

 フィナーレに、ドリスとともに現れた人物にびっくり。かつてオートクチュールメゾンを手掛けていたクリスチャン・ラクロワが登場した。改めてコレクションを振り返ってみると、色や柄のミックスに確かにラクロワらしさも感じることができる。

 この間、「ヴァレンティノ」と「アンダーカバー」のコラボレーションなど、他のデザイナーとともに新しい世界を描こうとする傾向は増えている。今回も一度だけのコラボレーションなのであろうか。

ドリス・ヴァン・ノッテン(右)とクリスチャン・ラクロワ(左)
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