【ニュース2022⑦】ゴルフウェア参入相次ぐ 若年層が流入、売り場も増加

2022/12/31 06:29 更新


エースは、「ゼロハリバートン」と「オロビアンコ」(写真)でゴルフ用品の製造・販売を始めた

 22年は、ゴルフウェア市場に参入する企業・ブランドが相次いだ。大手セレクトショップや総合アパレル、紳士カジュアル、ヤングレディス、ストリート系ブランド、服飾雑貨メーカーなど、業種・業態問わず、新規にゴルフウェアを手掛ける事例が目立った。ゴルフファッション誌『EVEN』の水上貴夫編集長は、「我々がキャッチしているだけでも、50くらいは増えた」と指摘する。

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 密を避け、非日常を楽しめるアクティビティーとしてゴルフが改めて注目されたことが理由だが、既存ゴルファーがゴルフに行く回数が増えただけでなく、新たに若い層が流入した影響も無視できない。あるゴルフECサイトによると、19年に比べ20代会員が約70%、30代が約30%増えたという。

■全社で1位に

 参入ブランドの増加に比例して、ゴルフ売り場の拡張や新設も活発だった。高島屋新宿店は3月から4月にかけてゴルフ売り場をそれまでの325平方メートルから1000平方メートルに拡張。伊勢丹新宿本店は3月末に、総合スポーツ用品売り場だった「イセタンスポーツゲート」を、ゴルフセレクトの「ダブルイーグル・パワードバイ・イセタンゴルフ」に刷新した。

 ゴルフ用品市場の活況は、業績にも現れている。ゼビオホールディングスは、23年3月期第2四半期(4~9月)決算で、ゴルフ部門の売上高が13.7%増となり、一般競技スポーツなどと比べ一番の伸びとなった。アルペンも22年6月期決算でゴルフセグメントの売上高が過去最高の931億2600万円となり、今期は1000億円の大台突破を目指す。

 アパレルメーカーも同様だ。デサントの「ゴルフウェア及びその関連商品」の連結売上高(4~9月)は、前年同期比13.1%増となった。特に日本では「デサント」「ランバンスポール」など全ゴルフブランドが増収だった。

 アパレル大手ではゴルフブランドが社内ブランドの売り上げランキングで首位となる現象が起きた。TSIでは、上期(3~8月)業績で「パーリーゲイツ」(派生ライン含む)の売上高が83億6900万円となり、「ナノ・ユニバース」「マーガレット・ハウエル」などを上回った。同ランキングでゴルフブランドが1位となるのは初という。

■人口減で淘汰も

 もっとも、市場の先行きは不透明だ。コロナの終息が近づくにつれ、海外旅行など他のレジャーに流れる層が増えていくからだ。また、これまでゴルフ市場を支えてきた団塊世代の離脱が本格化するなどで、プレー人口の大幅な減少が予想されている。そのため、業界関係者の中には「今後、新興ブランドを中心に淘汰(とうた)の波が強まるだろう」と見る向きが多い。

(繊研新聞本紙22年12月27日付/おわり)



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