17~18年秋冬の有力ショップは、無名だけれどこだわりのブランドを多く揃えている。デザイナーブランドや古着に親しんできたファッション好きが納得できるアイテムが多い。「クチュールライクなフォルムのシンプルニット」「懐かしくてフェミニンだけれど挑戦的なドレス」など、アクセントを利かせたデザインが目を引く。新入荷ブランドや、既存のおすすめブランドを紹介する。
(青木規子、五十君花実)
◆エストネーション
「コート」は今秋冬、数店舗のバイヤーが推す有力ブランド。エストネーションでも、力を入れている。デザイナーの福屋千春はクチュールメゾンでキャリアをスタートし、15年秋冬デビュー。滑らかで丸みのあるシルエットが特徴で、トレンチコートやブルゾンといったメンズライクな服からも優雅な雰囲気が漂ってくる。セーター(3万6000円)は、背中のたっぷりとした量感がポイント。シンプルなハイゲージセーターだが、とても華やかだ。
「ババコ」は、大人向けのリラックスウェアのブランド。ランジェリーを思わせるインティメートな雰囲気と柔らかな質感が特徴だ。デザイナーの白石陽子は「アンティパスト」で靴下やテキスタイルのデザインを約10年担当し、13年に独立。15年春夏コレクションからブランドをスタートした。日本の靴下生産の優れた技術を生かした良質な作りが特徴。女性の心に響くクラシカルなディテールも魅力だ。トップ3万6000円。
◆バーニーズニューヨーク
初入荷ブランドは「エステバン・コルタサル」。「エマニュエル・ウンガロ」の元クリエイティブディレクター、エステバン・コルタサル(34)が続けてきたシグネチャーブランドだ。ボディーラインを強調したデザインを得意とするデザイナーだが、「今っぽいストリートの感覚を取り入れたミックステイストが面白い」とバイヤー。カラフルな柄をパッチワークしたようなダブルブレストのブルゾン(20万円)などが揃う。
韓国発の「シーシーアールティー」は、アート集団のスタジオコンクリートが手掛けるウェアブランド。アートワークとファッションを連動したユニークなアプローチで注目されており、韓国ではすでに人気が高い。同店では17年春夏から取り扱いを開始。前シーズンのナンバリングTシャツに続いて、今シーズンはさまざまな絵画のTシャツを揃えた。背中には絵画を表す文字がプリントされており、シャボン玉を慎重に膨らます少年の絵画には、「ホープ」と書かれている(1万1000円)。
今シーズンはビンテージなどの一点物に手を加えてよみがえらせたアイテムにも着目している。ミリタリーやデニムアイテムをリメイクする既存ブランド「ハーヴェイ・フェアクロス」(4万5000円)にも、改めてフィーチャーしている。