20~21年秋冬ミラノ・メンズコレクション 新しい男性像を探る

2020/01/15 06:30 更新


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 【ミラノ=小笠原拓郎】20~21年秋冬ミラノ・メンズコレクションは、ライフスタイルの変化に対応した新しい男性像をどう描くのかが焦点となった。モードとしての新しいスタイルを軽やかに見せたブランドがある一方、これまでの様式美に引きずられてしまったブランドもある。テーラードアイテムが現代の男性のワードローブから激減していく中で、新しい時代の男性らしさをどう描くのか。そのクリエイションが問われるシーズンだ。

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 プラダのショー会場には、紙で作られた乗馬の彫像が置かれている。まるでパリのビクトワール広場に鎮座する彫刻が紙で作られたかのようだ。そんな会場を、観客たちは2階に作られた座席から眺めている。モデルたちは紙の彫像のまわりを歩いて新作を披露するという演出。必然的に服の細かなディテールよりも、スタイルに目がいく。


 グレーのニットベストには、袖のないプリントシャツとタイをコーディネート。ジレのようなジャケットのようなインナーの上に、ボックスシルエットのボリューム感あるジャケットを重ねていく。ボリュームとアイテムの重ね方に特徴はあるものの、とりたてて新しいという雰囲気ではない。ただし、パンツの多くはブーツにインしたコーディネート。ヘリンボーンやソルト&ペッパーウールのクラシックな生地のコートとスーツのスタイルだが、ボトムは大胆にブーツインしてしまうのが面白い。


 テーラードスタイルを得意としてきたブランドの多くは、その得意のアイテム=既存のビジネスのフォーマットを現代の男性像にはめ込もうとする。しかし、プラダは極めて普通のアイテムを組み合わせながら、スタイルとしてのモダンを探しているように思える。男性らしさの象徴ともいえるテーラードスタイルに固執しすぎず、そこから俯瞰(ふかん)してスタイルを見られるからこそ、モダンにたどり着ける。紙で作った彫像が、まるで伝統を別の視点からとらえているかのように、ベーシックとも思えるアイテムを生かして違う視点から新しい男性像を描こうとしている。テーラーリングを白や赤のブーツとともに着る男性とはどういう人たちなのであろうか。これまでの男らしさの概念とは少し軸が異なるスタイルは、どこか中性的だったり未来的だったりといった空気感をはらんでいる。そんなスタイルに全面的にとは言わないけれど、新しい何かを感じることができた。

(写真=会場写真は大原広和、そのほかはブランド提供)

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