19春夏ロンドンコレ 毒のある柄やコンセプチュアル

2018/06/18 06:27 更新


 エドワード・クラッチリーの主役はテキスタイル。英国と日本の伝統に目を向け、アーティストとの協業による毒のある柄を主役に、ヤクザな雰囲気のメンズとレディスを揃えた。京友禅や絞りのハワイアンシャツに、ウエストをタックインしてワイドショーツに合わせる。

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 レディスは直線カットのドレス。エスニック柄のようでよく見ると、漫画「キン肉マン」のような怪獣や墜落する飛行機をコラージュしたエキセントリックな柄。新アイテムは、サムライベストと呼ぶノースリーブジャケット。裃(かみしも)のように肩が横に張り出し、きもののように左前で打ち合わせ、共布のベルトを締める。

エドワード・クラッチリー

 ア・コールド・ウォールのショーはこれまでになくコンセプチュアル。座席には防塵(ぼうじん)マスクや耳栓が用意され、大きな扇風機が轟音(ごうおん)で風を送る中でのショーだ。パッデッドパーツを重ねたハーネスのようなアイテム、部分的にパッドを膨らませたパンツが揃う。

 ショーの哲学的なコンセプトが気にかかる。グレーの頭巾をかぶったモデル集団が白いボックスを壊すと、中から赤いペイントの全裸の男性が現れるというフィナーレ。注目のブランドだが、春夏は全く意味が分からない。

ア・コールド・ウォール

 シャロン・ワコブが初のメンズをレディスと一緒に見せた。冒頭はいずれも着丈が長いシャープなテーラードスーツ。サビル・ロウのノートン・アンド・サンズの仕立てだ。

 メンズはテーラードが基本で、袖や後ろがシースルーになったオーバーシャツや羽織るように着るコートも揃う。レディスはいつもながらのマスキュリン・フェミニンスタイル。フリンジで動きを出したドレスの上に、テーラードジャケットやオーバーサイズのコートを羽織る。

シャロン・ワコブ

 ミチコ・コシノはプレゼンテーションでトロピカルなルックを見せた。リーフグリーンをベースに、トロピカルフラワーのプリントやシダの葉のアップリケで飾り立てたにぎやかなストリートスタイルを揃えた。薄く透けるブルゾンやシャツは重ね着し、ネッカチーフを巻く。遠目には花柄に見えるハワイアンシャツのモチーフは、フラダンスを踊る女性。

ミチコ・コシノ

(小笠原拓郎、若月美奈通信員、写真=catwalking.com)




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