18春夏パリコレ スクエアな布使いが新鮮

2017/09/29 04:30 更新


 【パリ=小笠原拓郎、青木規子】18年春夏パリ・コレクションでは、ミラノに続き柄と柄を重ねたミックススタイルが目立っている。ロンドンで広がったバイアスの布の使い方や、スカーフのようなスクエアな布を重ねるといった手法も登場している。(写真=大原広和)

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 ドリス・ヴァン・ノッテンは、スクエアな布のディテールと柄を組み合わせたロマンチックなコレクション。ショーのバックに流れるのは、かつてロネッツが歌った「ビー・マイ・ベイビー」の別バージョン。そこに柄と柄をミックスしたラインが揃う。スカーフディテールのトップやコートのほか、スカートにもスカーフ風のスクエアな布を巻きつける。

 英国調のクラシックチェックのスーツには、ビジュー刺繍のチュールを重ねて立体的に。20年代のアールデコの柄から80年代の柄までを、さまざまなアイテムにのせる。立体的な花柄に雲と雨の柄、波打ち際の砂浜模様のスパンコールスカートは、ヒトデのスパンコールトップとコーディネート。唇柄にバイアスストライプのグラフィックもある。ドリスらしい柄の遊びととともに、スカーフディテールなどの布使いでトレンドもきっちりカバーしている。

 足元は服と共地のラメジャカードのブーツ。装飾を重ねながらも、巧みな引き算で過剰にはしない。そんなバランスで見せた。

ドリス・ヴァン・ノッテン
ドリス・ヴァン・ノッテン

ドリス・ヴァン・ノッテン


 メゾン・マルジェラは、7月に発表した17年秋冬のクチュールラインのアイデア「ニューグラマー」をさらに膨らませた。ショー会場に流れるのは、空港での搭乗案内のアナウンス。そこに、ベアバックのトレンチドレスやジャケットがビュスティエのように張り付いたコートが登場する。スイムキャップ風のヘッドピースに枕を思わせるふかふかのバッグがアクセント。

 服やバッグには、飛行機の手荷物扱いのタグが飾られる。身頃をくりぬいて枠組みだけを残したようなハーネスのアイテムを、チェックのスーツやオーガンディのドレスの上から重ねる。ジャカードのバスローブは、ドレスやスカートに作り変えられる。チェックのコートは、花柄の生地をボンディングすることで立体的に見せる。デコンストラクトというマルジェラのDNAをベースにしながらも、ジョン・ガリアーノのさまざまな要素をミックスするセンスが光る。「無意識の瞬間や余暇に着目し、急いで服を着るときのジェスチャーを通してアンコンシャス・グラマーという概念を提起した」という。

メゾン・マルジェラ

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