18年春夏ニューヨーク・コレクションでプレゼンテーションを行ったブランドは、きれいな色をたくさん取り入れて、気分を明るくするような提案が目立った。やや懐古趣味的な雰囲気のブランドもあり、それらはどちらも今の社会情勢への不安の裏返しなのかもしれない。ロマンティックなドレスにスポーティーなアウターをはおるような、肩ひじ張らないルックが揃う。
(杉本佳子通信員)
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「アリス・アンド・オリビア」は、1880年代に建てられ現在改装中の「チェルシーホテル」に着想したセッティングで見せた。パントリーを並べたキッチン、チェッカーボードで彩ったロビー、花があふれるガーデンなど、スペースごとにモデルを並べる。チェルシーホテルは多くの著名な作家や映画監督、ミュージシャンが定宿していたことで知られ、コレクションはいつにもましてファンキーでボヘミアンなムードがあふれる。花柄は明るい多色使いや優しいトーンなど、さまざまな配色で見せる。レインボーカラーのタッセルやスパンコールも華やか。アイテムはタイトなロングスカート、ラッフルやハンカチーフヘムを取り入れたフルイドドレス、ボウ付きブラウスなど、フェミニンなデザインが中心。

「ケイト・スペードニューヨーク」は25周年記念のコレクションを、グランドセントラル駅構内の老舗レストラン「オイスターバー」で発表した。デキシーランドジャズを流しながら見せたのは、ロマンティックとスポーティーのミックス。柄のモチーフは花とチョウで、刺繍、スモッキング、レースも加える。レトロなチェックのコットンドレスも、スモッキングやラッフルをポイントにする。アウターはスタジアムジャンパー、レザーのモトクロスジャケット、トレンチコート。靴はリラックス感のあるサンダルやスリッポンで、バッグはかっちりした小さめのトートが多い。
