18~19秋冬パリメンズコレ ブランドイメージを強める

2018/01/23 04:30 更新


 【パリ=小笠原拓郎】18~19年秋冬パリ・メンズコレクションは終盤、それぞれのブランドのオリジンを背景にしたクリエイションが充実した。オリジンを強調したコレクションを重ねることで、ブランドイメージを強固にすることができる。一方でそれをベースとしながらも、いかに新しいデザインの幅を見せられるかが、常にデザイナーには問われている。(写真=catwalking.com)

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 アレキサンダー・マックイーンは英国の男性のエレガントなモダニズムを表現した。チョークストライプやウィンドーペーンのスーツ、モヘアタータンのニットコート、モヘアアーガイルのビッグセーター。英国の伝統的な柄や素材を生かしながら、シェイプやボリュームのバランスを変えてみせる。スーツはウエストシェイプを利かせたジャケットとクロップトフレアパンツの組み合わせ。きれいなシェイプと着丈のバランスが軽やかだ。伝統的なスタイルにアクセントを作るのはトレンチディテールのタブリエのようなパーツ。ウエストに巻きつけてフレアラインを作る。クラシックなテーラーリングを今の時代に合わせてモダンにするのは難しい。テーラーリングを得意とするファクトリーブランドがデザイナーを擁立してモダナイズにチャレンジしているが、正直なところ、まったくモダンに思えたことがない。そんななかで今回の軽やかなバランスは、モダナイズの一つのあり方として説得力を感じられたまれな例といえる。

アレキサンダー・マックイーン




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