18-19年パリメンズ ヴェットモンのカスタムエナジー

2018/01/22 04:30 更新


 【パリ=小笠原拓郎】18~19年秋冬パリ・メンズコレクションは、ラグジュアリーブランドのデザイナーの交代劇や、新たにメンズのクチュールラインをはじめるブランドがあるなど、さまざまな話題が交錯した。その中で、ストリートの気分をはらんだカスタムスタイルに勢いを感じた。

 ヴェットモンは、パリ郊外の市場を会場にパワフルなコレクションを見せた。

 インサイドアウト、ビッグサイズ、カットオフ、カスタマイズド。デムナ・ヴァザリアらしいテクニックと古着をカスタムしたようなレイヤードスタイルが次々に登場する。コートの背中にくっついたワンピース、接ぎ合わせたジーンズ、カットワークしたカムフラージュパンツ、ブルゾンからネルシャツが垂れ下がり、ハウンドトゥースのシャツがスカートになる。ごう音のハードロックと重なるエクストリームなイメージ。


 なぜ、このエクストリームなラインが力強く見えるのか。古着の持つ色落ちや風合いに使い込んだリアリティーがあるからなのか。それとも懐かしい既視感の組み合わせゆえか。古着をカスタムしたような刺繍やグラフィティーにアブストラクトな強さがあるからなのか。

 安っぽい化繊のフラワープリントコートからビッグサイズのMA-1まで、重ねて盛り込んだボリュームスタイルを見ていると、ファッションってコストをかければよくなるわけでもないと再認識させられる。




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