ロープ、ネルシャツなど登山スタイル取り入れて
【ミラノ=小笠原拓郎】17~18年秋冬ミラノ・メンズコレクションに、登山の要素を取り入れたスタイルが広がっている。カラビナにロープ、パーカにネルシャツのレイヤード。ヨークの切り替えやアップリケなどの装飾も増えている。
■レトロマジック…プラダ
キャメル、ブラウン、グリーン、コーデュロイの懐かしいタッチ。プラダがバナルでレトロな魅力あふれるコレクションを見せた。キャメルベージュのコーデュロイのパンツやブルゾンは、70年代を思わせるレトロなムード。素朴な雰囲気に、太めのファーのベルトがアクセントになる。レザーとファーを切り替えたコートやジャケット、貝殻のネックレスに静物画プリントのセーター。
懐かしいだけでなく、繊細なメンタリティーを抱えたようなスタイルだ。スーツはポケットの切り替えをアクセントに。足元は、ファーのボリュームを生かしたシューズやメタル刺繍のサンダルなど。同じラインで出しているレディスのプレコレクションの方がアイテムのバリエーションがあって、よりバランス良くダサさと可愛さを出せている。とはいえ、スポーツとトラッドに終始するミラノ・コレクションの中で、独自の存在感を示した。
■ディースクエアード
ディースクエアードは、登山を背景にしたカジュアルスタイルを揃えた。ボリュームたっぷりのセーターにネルシャツを腰に巻いてレイヤードしたスタイル、シアリングのコートは部分的にダウンを合体して量感を作る。ヘアカーフのジャケットにテープ状のフリンジ飾り、アウトドアパーカにはたくさんのワッペンをアップリケする。
■モンクレール・ガム・ブルー
モンクレール・ガム・ブルーは雪山をイメージした。ジャケットやパンツ、コートなど様々なアイテムの上からロープを巻きつけたディテールが特徴だ。パンツはボンデージパンツのようにロープが動きを制限し、ジャケットもロープとカラビナが装飾となる。モデルたちは雪の中を4人1組になってロープでつながって歩き回るという演出。バイアスストライプやチェックなどの柄、ハイソックスと膝までのダウンハーフパンツが新鮮に見えた。
■サルヴァトーレフェラガモ
サルヴァトーレフェラガモは、新しいディレクター、ギョーム・メイアンによるファーストコレクション。スーツは短い着丈のジャケットと長い着丈のジャケットの2タイプ。チャンキーセーターをタックインしたスタイルやボマージャケットといったカジュアルなイメージもある。スエードコートやスエードブルゾンは、襟やショルダーをレザーのテープで編み込んだ。ヨークに毛糸をニードルパンチのようにして留めたブルゾンも目立った。
■セドリック・シャルリエ
セドリック・シャルリエがミラノ・コレクションにデビューした。カラーブロックのレディスコレクションと対をなす、イエローをキーカラーにしたコレクションだ。コーデュロイのジャンプスーツ、スーツに合わせたコットンのパーカ、パッチワークのシャツ、フロントとバックを切り替えたパンツといったアイテムが揃う。クリーンな色合わせが特徴で、ブルーやグレー、ボルドーなどの色とともに、鮮やかなイエローを差し色にした。
(写真=catwalking.com)