オンワードHDとラオックスの合弁

2015/06/24 17:53 更新


 オンワードホールディングス(オンワードHD)は今秋、ラオックスと合弁会社を設立し、高品質・高感度な日本製品を世界に向けて販売する。オンワードHDの企画生産基盤を生かした物作りを行い、ラオックスの販売網を活用。海外向けEC(電子商取引)サイトと日本国内の免税店舗などで販売、ネットと実店舗を融合したオムニチャネル戦略を推進する。拡大するインバウンド(訪日外国人)需要を取り込み、3年以内に小売価格で200億円の売上高を目指す。(佐々木遥、藤川友樹)

 販売するのは、ファッション衣料を中心とする生活文化製品。日本の素材を使用し、日本で縫製する。中国をはじめとするアジア市場をにらみ、高付加価値の日本製品を訴求する。

 ブランドは未定で、オリジナルブランドの開発とオンワードHDの既存ブランドの両軸で検討する。スタートは「日本の産地の強みを生かせるアイテムを絞り込んで展開する」(保元道宣オンワードHD社長)とし、既存ブランドでも「商品は独自の物を作る」。

 9月に中国でのECからスタートし、年内に国内実店舗での販売を始める。売り上げ目標200億円の内訳は、ネットと実店舗で各100億円。

 ラオックスは09年、家電量販店からインバウンド向けの総合免税店へとビジネスモデルを転換。現在、日本国内で23の免税店を運営する。14年8月、中国向けに日本製品を販売するECサイトをスタート。売り上げは「この半年で急拡大している」(羅怡文ラオックス社長)。

 最近は、高品質の日本製品の商品開発に力を入れている。インバウンド需要では家電などの耐久財だけでなく、ファッション衣料を中心とする消耗品も求められているが、ファッション分野での高付加価値の日本製品は「残念ながら少ない」。そこでオリジナルの日本製アパレル「オリガミ」を立ち上げ、今月から販売を開始。さらにオンワードHDと組むことで「衣料品の売り上げ構成比を2ケタ台まで高めたい」とし、本格的にアパレルに進出する。7月1日付で子会社化する婦人靴製造卸・小売りのモード・エ・ジャコモとも「相乗効果を出していきたい」と話す。



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