合同展「ゆかたショーケース」 専門店の関心高く好反応

2020/02/17 06:27 更新


 和装関連メーカー6社の合同展示会「ゆかたショーケース」がこのほど京都で開かれ、20年夏向けのゆかたや帯、小物などを発表した。天候不順などでここ数年厳しい状況が続いているゆかた市場だが、個性的な商品に対する売り場のニーズは高いようだ。

(沖津昌広)

 参加メーカー・ブランドは、トリエ、桝儀「きものファクトリーのの」、ルミックスデザインスタジオ「ルミロック」、ひでや工房、黒木織物、菱屋「菱屋カレンブロッソ」。

 打ち出した商品は、ドット柄をランダムに重ねたプリントのゆかたや巻き上げ絞りの兵児帯(ひでや工房)、マンモスや恐竜の骨などを織りで表現した博多織の帯(黒木織物)、主力のカフェぞうりのバリエーションに加え、自社生産のバッグ類の新作(菱屋)、大島紬をベースにしたシンプルなきものと小物(桝儀)など。

 からみ織りの服地を使った長羽織(トリエ)は脇が閉じたちりよけコートと同じ仕立てで、用途の幅を広げる提案も見られた。

ドット柄のゆかた(ひでや工房)
服地使いの上品な羽織(トリエ)

 また、多様なニーズへの対応として、ルミロックは通常ポリエステルか綿・麻のきものが主力だが、正絹きものへの転用を〝アーカイブ柄〟として見本付きで提案。黒木織物はQRコードを織物で作成し、帯の裏地などに使用することで専門店の情報発信への活用を提案するなどOEM(相手先ブランドによる生産)対応も打ち出した。

 1月に開いた東京展は来客が多く、京都展もまずまずの結果に。ゆかた販売の不振は2年以上続き専門店の多くは在庫を抱えているだが、「受注量は多くないが、目先の変わった商品へのニーズは増えているのではないか」(出展者)としている。

インパクトのある柄の博多織の帯(黒木織物)


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