デザイナーの岩岸仁行氏 生産現場の経験生かしODM

2019/08/26 06:27 更新


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 デザイナーでODM(相手先ブランドによる設計・生産)も手掛ける岩岸仁行プールズ代表。生地の生産・加工現場での経験を生かした開発力を武器に、商品の同質化に悩む小売業などへの解決策を提示する。

 岩岸代表は24~31歳の時に、製織や染色・加工場など生地作りの現場で経験を積んだ後、オートクチュールブランドや舞台衣装の生産に従事した。

 08年秋冬から、自身のメンズブランド「キソヴェル」を立ち上げ、11年春夏から「ヴォトル」もスタートした。現在、自身のブランドは休止中。商社とテキスタイルデザインやブランドディレクションで業務委託契約を結ぶ。

 「差別化したいからといって、高コストで奇抜な生地を開発する必要はない。生産工程や機械の性質まで理解しているので、普通の生地に一工夫加えることで新たな価値を生み出せる」と岩岸代表。例えば、同じ生機でも微起毛加工すると秋冬向けのイメージになったり、バイオウォッシュをかけると春夏向けのイメージになったりする。

 微起毛も通常のサンドペーパーでなく、ゴムの板を使うと組織が劣化しにくくなる。また、普通のデニムでも、縦糸共通で横糸をリサイクルのジャズネップ糸に替えると上品で、もちっとした触感になり、それに洗いをかけるとコストが変わらずに差別化できる。

ちょっとした工夫でオリジナルの生地を開発

 昨年末から、セレクトショップのPBのODMではジェネラルデザイン(中川孝社長)と組んで攻勢をかけている。一般的にセレクトショップのPBは利益率が高いものの、コスト優先で同質化が激しい。今後、大幅な店舗や客数の増加が見込めないため、客単価の向上を目指す必要がある。一歩先を見据えた経営者はPBの底上げ、建て直しに着手し始めている。

 中川社長は「商談の場でも会社に持ち帰らず、その場で判断できるのは岩岸氏が自ら染料を作れるなど生地作りを熟知しているから。さらに生地から縫製まで一貫したプロデュース力も強み」とみており、「相手先が求める商品を具現化できるプロのチームとして、物作りをアップデートしたい」と強調する。

 「物作りにはゼロから価値を生み出す力がある。未来を真剣に考えている人たちと組み、ファッション本来のワクワク感を提供できる商品開発に磨きをかけたい」と、岩岸代表は現場主義を貫く。

20代の時に製織や染色・加工の現場で経験を積んだ岩岸代表(左)、ジェネラルデザインの中川社長

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