宮崎デザイン事務所(東京)は25年秋冬から、「ハナエモリ」出身のデザイナー、宮崎能典さんが手掛ける高級婦人服ブランド「ヨシノリミヤザキ」をスタートする。9月16日から公式オンライン店と、西武渋谷店A館5階で2週間の期間限定販売を開始。大人の女性に向けて、高品質な日本素材を使い、国内で生産した商品を主体に、様々な場面で着用できるアイテムを提案する。
(河邑陽子)
【関連記事】「ヨシノリミヤザキ」デザイナー 宮崎能典さん 自信を持って努力を続ければ道は開ける
宮崎さんは、ハナエモリでプレタポルテのデザインを担当し、大手アパレルのMDも経験後、独立して医療用高級白衣のデザインなどを手掛けてきた。既存のプレタ服に元気がないなかで「日本の高級ファッションの伝統を受け継ぎ、伝統的な技術と新しい技術を使い、今の時代の女性に向けて従来の規範に捉われない着方ができる服、未来につながる服を作りしたい」とヨシノリミヤザキを立ち上げた。
「日本の王道の高級婦人服ブランドとして、世界に発信したい」と、今秋冬は「ロマンティックジャポニズム」をテーマに18型を企画した。宮崎さんの出身地、愛知県産の生地を使った商品が多い。代表商品は、尾州の工場に特注したファンシーツイード製で、MA-1風のボンバージャケット。古い織機でリボンテープをループ状に織り込み、手作業でカットしたシャギー感のあるツイードを使い、上品かつカジュアルに仕上げた。着回しが利く点が売りで、税込み15万9000円。
隣接する静岡・浜松の高度な染色技術で、大島紬風の花柄をプリントした綿のジャケットは8万9000円、ジャンパースカートは6万9000円。ジャカード織りのような高級感と軽さ、着心地の良さを併せ持つ。伝統的な縞模様が特徴の三河縞をモダンにアレンジした生地を使い、アシンメトリーに配したシャツやワイドパンツは4万~5万円台。ほかに女性の体のラインが美しく見えるシルエットで上質な素材のスーツや黒のワンピース、洗練されたデザインのドレスなどで構成する。
11月にも西武渋谷店で期間限定販売を予定している。期間限定販売などで知名度を向上させ、百貨店自主編集売り場などへの卸の拡大を目指す。将来は直営店も出店したい考えだ。
