「ヨウヘイオオノ」(大野陽平)は今夏、「3711プロジェクト」の第2弾を発表した。21年2月に立ち上げたプロジェクトで、使われないままの反物を生かして一点物が仕立てられた。今回は新型を加えるとともに、ビンテージのジュエリーの再生に取り組んだ。
ウェアは合計4モデルで40点を製作。前回も好評だったオールインワン、新型のフレア袖のコートドレス、レッグオブマトンスリーブのギャザードレスなど、凛(りん)とした強さとフェミニニティーを併せ持つ大野らしいシルエットに仕上げられた。
パターンは反物の幅に合うように設計し、柄が引き立つモデルを選んでいる。価格は6万円台から10万円台。反物は、時代や産地を問わずに気に入ったものを選んでいる。
「絣が好きで集めていて、漢字の道を描いた絣柄など想像を超える柄が見つかり、独特の雰囲気が出た」と大野は話す。スタイリング用に、帯を使ったレッグカバーとバッグも製作。力強い織柄が、立体のフォルムの中でプリミティブな魅力を放っている。
ジュエリーの新ライン「パイルカバード」は、シルバーのビンテージ指輪の表側にピンク、グレー、グリーン、ブルーの4色のパイル加工を施した。経年を感じさせる重厚感もありながら、ミニマルで温かみもある。1万2000~1万5000円。6月下旬に個展を行い、引き続きECサイトで販売している。