型破り、ライフスタイル店のような呉服店

2015/11/25 06:26 更新


 きもの小売りのやまとは、19日にオープンした渋谷モディ4階に、新業態のレディス・メンズ複合のきもの店「ザ・ヤード」を開いた。プレタポルテは無く、基本的にきものは全てオーダーメード。といっても堅苦しさはなく、一見、はやりのライフスタイルショップのようなおしゃれな雰囲気だ。これまできものに触れてこなかった層にも、身近に感じられる仕掛けを詰め込んでいるのが楽しい。

シャツのように

 店は「スターバックスコーヒー」とシューズの「ハルタ」、アイウエアショップの「ラコンフィアンス」に挟まれた区画にある。売り場面積約95平方㍍。その場所からしてなんともきものらしくないが、コンクリートの床に大理石のタイル、ウッドの什器やファサードをポイントにしたクリーンでモダンな空間も、いわゆる伝統的な呉服店のイメージとは大きく異なる。

 片側の壁面にはずらりと反物が並び、その棚の上にはショップロゴを刻印した草履用のボックスを積んでいる。まるでシャツのボックスが積まれたテーラーのようにも見えるが、実際、そこを狙っている。店作りのコンセプトは「白シャツのように着る、新しい日常を作るきもの」だ。

 反物は、比較的カジュアルに着られる遠州木綿やシルク・ウールから、結城紬、大島紬、華やかな西陣織などまで幅広く揃う。反物に付けられた価格には、仕立て代、裏地代も含んでおり、木綿で4万円台から。シルクで20万円以上のものもある。「きものに縁の薄い人は、反物の値段を見ても、実際に仕立てるといくらになるのかが分からない。それではなかなか手が出せない」ことから、こうした価格表示にしたという。

レザーバッグやピアス、傘など、雑貨類も豊富に揃う。ガラスケースの中に展示しているのは帯留め
レザーバッグやピアス、傘など、雑貨類も豊富に揃う。ガラスケースの中に展示しているのは帯留め
一般的な呉服店のイメージとは異なる、クリーンでモダンな内装
一般的な呉服店のイメージとは異なる、クリーンでモダンな内装

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