繊維専門商社のヤギは「アタッチメント」のデザイナー、熊谷和幸氏と協業するメンズバッグ「クラムシェル」を立ち上げた。パリの展示会「トラノイ」で1月にデビューし、18~19年秋冬物から販売を始める。
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熊谷氏がデザイン・監修し、ヤギが製造・販売する。アタッチメントは昨年ヤギが全株取得し、グループに入った。「アタッチメントのウェアに合うミニマルなバッグがあったら面白い。カジュアルでもビジネスでもニーズは高いはず」とヤギがアプローチし、実現した。
素材はアタッチメントのコートなどで使っている、ポリエステル・ナイロンの割繊糸を使った撥水(はっすい)タフタ。秋冬向けはこの1素材に絞り、色も黒のみ。牛革と切り替え、軽い上に撥水素材でシームテープ使い。雨に強く、デザインと機能性を併せ持つ。ドローストリングトートバッグ(1万9000円)やデイパック、バックパック、クラッチバッグなど8型あり、9000~2万5000円。「ミニマルなデザインで格好良く、価格も手頃」として20~40代など幅広く狙う。
トラノイでは欧州や韓国のセレクトショップ、オーストリアの百貨店などから引き合いがあり、「手応えがあった」。日本ではセレクトショップを中心に販売し、国内外で伸ばす。バイヤーからは高級ラインのニーズがあり、秋冬は別注で対応、19年春夏からは「コレクションラインを立ち上げたい」。アタッチメントの実店舗やECサイトでも販売する予定で、「アタッチメントのエントリー商材としてファンの裾野を広げられたら」とも考えている。
八木隆夫社長は「ブランドビジネスを手掛けるだけでなく、熊谷さんとヤギの力を合わせて新しいものを生み出す。こうしたシナジーの出し方もある」と話す。
