ヤギは、環境配慮型素材「ユナ・イト」シリーズを軸に付加価値糸の販売を強めている。ただ「糸だけでの提案では限界がある」と産地企業との協業で独自糸を使った生地を開発し、提案の幅を広げる。
販売が前年比40%増ペースで伸びているのがオーガニックコットン「ユナ・イトオーガニック」。海外では、「履歴管理が徹底されたオーガニックコットン(OC)への引き合いが強い」(卜部司執行役員グローバルマテリアル本部第一事業部長)と輸出を強化しているテキスタイルメーカー向けが伸長。加えてインドで紡績した綿糸をベトナムで生地化して販売するなど三国間取引も良い。
同社はインド産のOCで農場の履歴管理と国際認証「GOTS」(グローバル・オーガニック・テキスタイル・スタンダード)を結びつける独自システム「コットンアイディー」を構築し、履歴管理を徹底する。25年3月のインド法人設立により、従来よりもさらに踏み込んでインドでのOCの調達や品質向上、納期管理を徹底する。また用途や番手に応じて現地の紡績企業を使い分けるなどして糸の種類も増やす。人気は、グループの山弥織物と協業して強撚やガス焼きなどで差別化した細番手。
機能性を付与した合繊糸「ユナ・イトプラス」では糸開発が進む。従来の綿調ポリエステルや綿・ポリエステル混に加え、リサイクルポリエステルとPTT(ポリトリメチレンテレフタレート)繊維を複合したフルダルわたを使った商品群を開発した。ストレッチ性や紫外線カット、遮熱性、防透けなどの機能を持つ。今後ブランディングして販売を伸ばす。
国内産地の縮小に伴い、「糸だけでの提案では限界がある」と北陸産地企業などと協業して独自生地を開発し、生地での提案を増やしている。「生地化したり、加工を加えて風合いを含めて提案すると反応が違う」と提案の幅を広げて、糸、生地での販売を伸ばす。
