作業服・作業用品主体のFC専門店チェーンのワークマンは10月16日、新業態「#ワークマン女子」を横浜・桜木町駅前のコレットマーレ5階に開設する。同社初の女性を主対象に設定した店舗。感度の高い若い女性と、一緒に来店する若い男性の〝インスタ世代〟の顧客の開拓を狙って開発した。店頭での接客や販促にSNSを活用し、SNSとリアル店舗の一体化を図る〝コネクテッドストア〟としての実験も行い、初年度は4億5000万円の売り上げを目指す。
(河邑陽子)
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新業態開発の目的は、高感度な〝インスタ世代〟の女性を取り込み、路面店に送客すること。2年前にワークマンプラス業態の出店を始めてから女性客が増え、路面店では女性向けウェアは前年比倍増の売り上げ。女性客比率は路面店で3割、プラス業態のSC店で5割以上になったが、大半が35歳以上。新業態では若い女性と男性の取り込みを重点目標とし、女性が買いやすい売り場作りやVMDを工夫する。
新店の売り場面積は従来のSC店の1.5~2倍、路面店を含めて同社最大級の452平方メートルで、旗艦店の一つとする。女性客専用売り場は従来のSC店の2.5倍に拡大し、女性専用が4割、男女兼用商品の売り場が2割、男性専用が4割の構成。全体の6割を占める女性向け売り場を前面に出す。施設の共用通路側は女性用マネキンだけを並べ、入り口からは女性専門店に見えるように編集する。
コレットマーレに新業態を出店したのは、若い女性客と男性客の来店が見込めるため。SNSとつながっているリアル店、コネクテッドストアと位置付け、店名に「#」を付けた。店舗の前面に〝アンバサダーコーナー〟を設け、同社製品を愛用するユーチューバーやブロガー、インスタグラマーで、同社が任命したアンバサダーと協業で開発した新商品を陳列する。同コーナーではPOP(店頭広告)にQRコードを付け、その商品をアンバサダーが紹介した投稿を見ることができるようにする。SNSに発信できる撮影などのスポットも店内に数多く設ける。
女性が主対象の新業態は、今後もSCに何店舗か出して反応を検証し、主力の路面店での女性向け売り場のMDを探る。また新たな一般客向け業態として、プラス業態から女性や靴、レイン関連など一部商品を切り出した専門業態も開発中。来年3月か4月には、特化型新業態の1号店を開設する計画だ。