今、販売現場がピンチです。本部と売り場のギャップは大きく、店長とスタッフの溝は埋まらない。皆さんもたくさんのストレスと日々戦っているはず。その解決の糸口は意外とあなたの中にあるかもしれません。セレクトショップなどの指導で現場を支援する方々が贈る、意識を変えてくれる言葉を紹介します。
パソコンを開いていても、お客様が来たら閉じてください。こんな単純なことがなかなか出来ていません。でも作業が多くて回せないって?
あるお店でこんな相談がありました。
「シフト組み、予算設定、レポート提出作業が減らず、優先順位がわかりません」
そこでこんな提案をしました。
どうせ数字がいかないなら、作業はやめなさい
どうせ怒られるなら、徹底して接客をしなさい
マネージャーを説得して一週間作業をやめ、本気になって接客したところ数字=売り上げが跳ね上がり、結果、作業そのものが減ったのです。
売り上げが悪いときのほうが、売り場の作業が多くなるんです。悪い理由を探るために本部が指示したレポートを書いたり、売れない商品の店舗移動をしたり。その結果販売員は本来一番大切なお客様と向き合う時間を削らざるを得なくなるのです。
あなたが店長なら、シフト組みなど思い切ってスタッフに任せてみてください。過重に自分の仕事だと思い込んでパソコンの前にいるから売れないんです。スタッフはあなたから接客を教わることが出来ないんです。だから作業が増えるんです。できる限り店頭に出て、接客に力を注いでてください。
Who are"賢者”?(本記事取材元)
■藤永幸一:有限会社レックス 代表取締役
株式会社鈴屋に入社し、各エリアの店長・マネージャーを経験。その後、本社に異動し、レディースの商品部長、事業本部長を歴任。2000年に有レッ クスを設立。小売りの現場に即したスタッフ育成、 組織マネジメントサポートを行う。
■兼重日奈子:有限会社ねぎらいカンパニー代表取締役
キャビンを経て、イトキン入社。エリアマネジャーからトレーナーとなり店長を育成。02年よりファッション・小売業に特化した教育コンサルティング企業、ワンスアラウンドで、講師としてアパレル企業での販売教育に携わる。06年にフリーとなり、奮闘する多くの販売員との交流。相手の労苦を思いやる「ねぎらいワーク」を研修に導入している。
■森下公雄:株式会社ソリッソ代表取締役
ファッションリテールコンサルタント。服屋の売上向上のため作戦を立て、店頭で実践するためのサポートを行う。MD立案、サービス目標作り、サービススタンダード(行動基準)作成、これらに基づく店長や販売スタッフ研修を行っている。