今、販売現場がピンチです。本部と売り場のギャップは大きく、店長とスタッフの溝は埋まらない。皆さんもたくさんのストレスと日々戦っているはず。その解決の糸口は意外とあなたの中にあるかもしれません。セレクトショップなどの指導で現場を支援する方々が贈る、意識を変えてくれる言葉を紹介します。
日本人はすぐに「すいません」と言ってしまいます。売り場で仕事をする中で、「すいません」という言葉は間違いです。「ありがとう」に変える工夫をして、言うタイミングや機会を探してください。
自分が「ありがとう」という言葉でねぎらわれると、下に対してもそうした言葉を伝えていけるようになります。
褒めるのではなく、ねぎらう。
それだけで離職率は下がります。ポジティブな言葉掛けは、自分に関心を持ってくれている、ということが伝わり、心がけが変わるからです。少し話は違いますが、ある保険会社の調べで、朝「いってらっしゃい」、夜「おかえり」と言っただけで、10%事故が減ったというデータがあります。
そして、お客様に「ありがとうございました」と過去形にせず、「ありがとうございます」と現在形にしてください。
なぜなら、お客様のお見送りは次の接客の始まりだからです。たった数文字の違いですが、お客様、スタッフ双方とも心の持ちようが変化します。
Who are "賢者”?(本記事取材元)
■藤永幸一:有限会社レックス 代表取締役
株式会社鈴屋に入社し、各エリアの店長・マネージャーを経験。その後、本社に異動し、レディースの商品部長、事業本部長を歴任。2000年に有レッ クスを設立。小売りの現場に即したスタッフ育成、 組織マネジメントサポートを行う。
■兼重日奈子:有限会社ねぎらいカンパニー代表取締役
キャビンを経て、イトキン入社。エリアマネジャーからトレーナーとなり店長を育成。02年よりファッション・小売業に特化した教育コンサルティング企業、ワンスアラウンドで、講師としてアパレル企業での販売教育に携わる。06年にフリーとなり、奮闘する多くの販売員との交流。相手の労苦を思いやる「ねぎらいワーク」を研修に導入している。
■森下公雄:株式会社ソリッソ代表取締役
ファッションリテールコンサルタント。服屋の売上向上のため作戦を立て、店頭で実践するためのサポートを行う。MD立案、サービス目標作り、サービススタンダード(行動基準)作成、これらに基づく店長や販売スタッフ研修を行っている。