「ホールラブキョウト」 鼻緒シューズが人気

2017/07/05 04:25 更新


 京都、日本の職人の技術を生かした靴、バッグなどのブランド「Whole Love Kyoto」(ホールラブキョウト)が立ち上がる。中心になるのは、スニーカーに鼻緒をつけた「hanao shoes」(鼻緒シューズ)。京都造形芸術大学で展示したところ、大きな反響を呼び、商品化することになった。京都でつくり、京都で売り、京都の人に愛されるグローバルブランドを目指す。

 同大学では今年4月、伝統の都をどりが開かれることになり、ウェルカムアートとして鼻緒シューズをディスプレーした。もともと同大学生が企画したもので、あくまで展示用だったが、世代や国籍を問わず人気となり、「どこで買えるのか」と聞いてくる人も多数いた。

 展示が終わってからも問い合わせが続いたことで、同大学とジュエリー製造販売のCHIMASKI(チマスキー、酒井洋輔代表)が協力して製品化、販売することになった。

反響を呼んだ京都造形芸術大学で開かれた都をどりでの展示

 鼻緒シューズは「ムーンスター」のスニーカーに、大阪の菊之好(きくのこのみ)の鼻緒を取り付けたもの。アッパーの前部に穴を開けて鼻緒を通し、サイドに切り込みを入れ、中敷き下で固定する。鼻緒はアッパーの裏で留めているため、靴下ばきで使える。

 試作品を街で履くと、「どこのブランドですか」などと知らない人から声を掛けられるほど、インパクトが強い。価格は1万6800円。XS~XLの5サイズがある。独自性を維持するため、特許を申請した。

 初めての販売会を10~23日、地元の藤井大丸で開く。藤井大丸の関係者は4月の展示を見て、その場で取り組むことを決めたという。

 鼻緒シューズだけでなく、鼻緒をつけたキャップ、ビーチサンダル用素材を使ったおこぼ(舞妓の履物)や下駄も販売する。ブランドのシンボルマークとするギンガムチェックは、碁盤の目になった京都の通りを表現したもの。この柄をプリントした信三郎帆布のトートバッグも扱う。

 9月には海外販売を計画する。京都、日本の伝統に裏打ちされたものは支持されると考えている。ターゲットとするのはロンドンのドーバーストリートマーケット、パリのコレットなど。来年には、ミラノサローネなど海外展に出て海外販路をさらに広げるとともに、地元・祇園にフラッグシップショップを出す計画を持つ。

 チマスキーの酒井代表は「職人は技術があってもアウトプットの方法が分からない人が多い。この事業が進めば職人、京都に恩返しができ、それがブランドの強さにつながる」と話している。

鼻緒はすべて異なるため一点物となる

ジーンズなどにも合わせやすい



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