ウィゴー、古着卸事業が好調 倉庫と販売拠点を一体化 初年度目標の5倍を売り上げ

2023/07/25 06:30 更新


箕面市に1月開設した新倉庫

 ウィゴーは古着人気の盛り上がりなどを背景に、古着の卸事業をスタートし、軌道に乗せている。大阪・箕面市に古着専門の倉庫機能を持った卸販売の拠点を開設。自社バイヤーが海外で買い付けた商品を軸に業者へ向けて販売するほか、定期的に一般消費者向けの販売会も開き、売り上げを伸ばしている。

 同社は創業以来、主力商品の一つとして古着を扱ってきた。近年は若年層を中心に古着需要が高まり仕入れ量も増加。年間約500トンを買い付け、常時販売価格で約10億円分の在庫を持つまでになった。大阪・貝塚市にある倉庫も手狭になり始め、23年1月、箕面市に新たな倉庫を増設した。

 新倉庫は4階建てで総床面積約3000平方メートルと大型。大阪の中心地から約30分ほどでアクセスできる好立地にある。古着事業を担当する舟井和也サスティナブル事業部部長は「立地も広さも申し分ないので、倉庫以外の用途も持たせたいと考えた。大規模な古着仕入れのノウハウを生かした卸事業を立ち上げ、その拠点にすることを思いついた」と話す。 

 業者向けの販売に先んじて、倉庫1階を店舗風にレイアウトし、一般消費者向けに在庫を販売する「古着卸即売会」をスタートした。開催は不定期で基本は月2回。通常の店よりも2~3割抑えた価格で販売している。宣伝はインスタグラムでの告知のみだったが、初回から多くの客が訪れ、買い付け目的の業者の姿も少なくなかった。

一般消費者向けに不定期開催する「古着卸即売会」は回を重ねるごとに売り上げが伸びている

 これに手応えを感じ、5月には倉庫2階に業者専用の卸販売スペースを開設。すぐに西日本の個店を中心に多くのバイヤーが集まり、スタート1カ月で約5000点、1000万円分を売り上げた。

2階の業者向け卸フロアでは自社のバイヤーが海外で買い付けた古着が好評

 好調の要因は商品の品質の高さにある。「古着の大量仕入れはベール買いをイメージすると思うが、ウィゴーでは自社のバイヤーがアメリカや東南アジアへ行って目で見て選んだ物がほとんど。Z世代の顧客が多いため、トレンドを押さえたアイテムも充実している」(舟井部長)。「目の肥えた個店の店主が満足する品揃え」と胸を張る。

ウィゴーの店舗ディスプレイ向けに買い付けたビンテージ雑貨も卸で販売している

 最近は古着卸即売会も認知が広がり売り上げが伸びている。6月末時点で35回開催し、売り上げの総額は約3000万円に達した。来場者数の増え方からさらなる成長が期待できるという。

 舟井部長は「売り上げは初年度目標の5倍ペースと絶好調。円安為替や渡航費の上昇で海外買い付けに行きにくい個店が利用してくれているようだ」と分析する。

 今後は関東にも同様の業態の倉庫を出す計画だ。「これまでのブームと違って若者だけでなく大人層も古着を楽しんでいる。さらに受容が拡大すると見て、より規模の大きな関東圏への卸事業の進出を目指す」。

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