日本の色・技でこだわり生地

2015/04/23 06:08 更新


 今治タオル産地の渡辺パイル織物(愛媛県西条市、渡邊利雄社長)は、シャツ地やジャケット向けのファッションテキスタイルも手掛ける、今治産地では珍しい存在だ。産地でも数少ないシャトル織機を活用するほか、他産地との取り組みも強化、リネン、ウール、獣毛混など糸からこだわった物作りに取り組んでいる。

 同社の売り上げの95%はタオルで、残りの5%がテキスタイル。ファッション衣料向けのテキスタイル開発は、99年のテキスタイルネットワーク展出展を機に本格化し、百貨店や、セレクトショップ向けの服地などを手掛けてきた。

 ワッフルや2重ガーゼの変わり織りを得意としており、最近ではヤクの原毛を竹炭や小豆島のオリーブ、勝沼のワインなど〝日本の色〟でトップ染めした糸を使用するなど、糸からこだわった生地を開発している。

  今治製のシャトル織機を生かした物作りも特徴的。1分間に100回転と、生産性はレピア織機の約4分の1だが、打ち込みがしっかりしており、独特の風合いを実現する。ガーゼについても、2重ビームで織るためよりふっくらと仕上がり、パーカやブルゾン、ジャケット、シャツ地などに採用されている。

 今後は海外への生地輸出を増やす方針で、プリント、染色など他産地との連携で生地開発に取り組んでいる。5月の生地展示会「プレミアム・テキスタイル・ジャパン」に出展する。



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