朝日ファスナー(三重県名張市)は、ビンテージファスナーの復刻ブランド「ウォルデス」の好調が続いている。一方で安定供給のため、福井県に専用の織機を揃えて生産体制を増強した。中国ではインターテキスタイル上海への出展を再開するなどで訴求を強め、「販売は順調」(福本毅社長)という。
ウォルデスは、力織機で織った綿100%の強度が高いファスナーテープに、金具部分はアルミや丹銅のエレメント(かみ合わせの歯の部分)を組み合わせるなど、1940年代のファスナーの素材、製法を再現した仕様が特徴だ。
とりわけファスナーテープは力織機を使うため、1台当たりの生産性は低いが優れた強度に仕上がり、「世界ブランドにふさわしい品質」と胸を張る。一定以上の生産量を確保して需要に応えるため、希少な力織機を世界中から集めてきた。現在、同社が約50台を保有している。
このほど、福井県にある細幅資材メーカーの協力を得て、全ての力織機を同メーカーの工場内に移設して本格稼働した。
ウォルデスの主用途は、ジーンズや革ジャンといったアイテムだ。ビンテージ調の外観や、高い強度など優れた品質にこだわって物作りをするブランドに好まれている。
ウォルデスの定番品は、ファスナーの開閉時にスライダー(引き手)がファスナーテープに接触しない構造が特徴だ。ファスナーテープを傷めないという「エー・ジップ」をはじめ、様々なアイデア商品が揃う。