ワコールホールディングス(HD)は6月22日、今期から3カ年の中期経営計画を策定した。事業環境の変化を踏まえ、既存事業の再構築と、ウェアにとどまらない新たな価値創造を強化する。同時に資本効率を引き上げ、29年3月期に売上収益2010億円(26年3月期比17.2%増)、事業利益85億円(26年3月期は4億6100万円の赤字)、営業利益93億円(26年3月期比53.2%減)、ROE(株主資本利益率)4.3%以上(26年3月期は6.5%)を掲げる。
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前中計では一部施策で成果があったものの、売上収益・事業利益は当初計画を大きく下回った。対象市場の縮小や原価高騰といった市場環境の変化が想定以上に激しく、施策の実効力不足もあらわになった。新中計の3年は事業再構築フェーズに位置付け、中長期経営戦略フレーム「ビジョン2030」(31年3月期)の達成につなげる。
事業領域はインナーウェアを軸とした「エンパワーメントソリューション」へ再構築する。国内は事業ポートフォリオを見直し、顧客ニーズやトレンドに柔軟に対応できるビジネスモデルへの転換を急ぐ。販路は卸主体から消費者向けに軸足を移し、特にECに力を入れる。コンディショニングウェア「CW-X」は、スポーツアパレル市場の拡大を追い風に国内外で伸ばす。
新価値創造は独自性の高い国内事業を生かす。3D計測サービス「スキャンビー」をヘルスケア分野での事業拡大や研究・学術領域に活用するほか、不織布立体成形技術「メループ」の研究開発強化、スパイラルでワコールの文化資産を活用したビジネスを拡大する。
合わせて、構造改革室、欧米・中国アジアの二本部体制など施策の実効力を高める仕組みを導入。施策効果が発現する5年後のビジョン2030で、資本コストを超えるROE7%以上を目指す。