《視点》アウターの需要喚起策

2025/11/20 06:23 更新NEW!


 今年はアウターの売れ行きがここ数年よりいい。10月前半までは残暑が続いたが、中旬から冷え込み、夏から一気に晩秋に移ったというのが多くの人の体感だろう。

 多くのアパレルメーカー・ブランドがアウター、特に防寒コートを控えめで臨んでいるが、アウター売り上げをつかむ仕掛けも目立ってきた。

 一つは受注会だ。暑いさなかに今年のアウターを消費者にお披露目して注文を受けるというイベントだ。受注結果に手応えをつかんだという話もよく聞く。気候の変化に応じて購入する実需期とは異なり、寒さを意識せずにアウターに向き合えることが逆に効果を上げたのかもしれない。

 もう一つは、シーズン前にアウターを披露して人気投票を行う〝アウター総選挙〟。アウターへの関心を高め、人気を事前につかめるという効果がある。消費者には自分の選んだアウターが強くインプットされることになり、購買意欲も高まるというものだ。

 各社とも慎重な姿勢は崩していないが、単価の高いアウターは、工夫しながら着実に需要を確保しようと取り組んでいる。

(武)



この記事に関連する記事