量販店向けレディスアパレルメーカーは、カントリーリスク回避のために中国から東南アジアや南アジアへの生産シフトを進めている。取材やアンケートでは品質・納期の面で課題を挙げる企業が多かった。
品質面では各社、ナショナルスタッフによる管理や検品所との取り組みで徹底する。あるメーカーは夏場の高温多湿による商品事故にも注意が必要だと話す。例えばカビの発生。バングラデシュでは湿度コントロールできる部屋で対応するほか、インドネシアではプレス作業した後は検品日数を3日から7日に延ばして乾かす時間を確保して対策しているという。
高温の環境下では分散染料が蒸発し、重ねていた別の生地に移染してしまう昇華も起きる可能性があり、堅牢度の高い素材選びが重要になるとも話していた。
納期の面では早期発注、計画生産が欠かせない。「効率的にオーダーをまとめるために取引先の理解が必要」と話す企業もいた。酷暑が続き季節MDが乱れる中、QR、コスト、品質、何を優先させるか。戦略が問われているように思う。
(坂)
