気象庁によると、今年7月の国内の平均気温は統計記録のある126年間で最も高かった。昨年7月の記録的猛暑を上回り、2年連続で過去最高を更新した。この発表を見て、気温の〝秋冬トレンド〟も継続が決まったように思う。つまり、長引く残暑に続く暖冬だ。
セレクトショップやレディスアパレルの24~25年秋冬物の展示会でも、もっぱら気温の話になった。関係者からは、ウールのロングコートなど重衣料の企画を減らしたが、なくすのは怖いという声が漏れた。他のブランドの対応を気にする様子も多く見られた。
気温に悩まされているのは消費者も同じだろう。暑さの中で店頭やオンラインストアに並ぶセーターやアウターは見ているだけでも汗が出そうだ。しかし、心ときめく一品には手を伸ばすこともあるだろう。
インナーを替えながら長く着られるベスト。トップの重ね着が難しいならばジーンズで変化を。アウターの代わりにもなる厚手のセーター。気温に翻弄(ほんろう)される今、消費者の背中を押すひと言を添えて需要喚起する提案力が試されていると思う。
(衣)