《視点》常識に捉われない

2024/06/11 06:23 更新


 休日の服選びに悩む〝私服迷子〟の男性を救済する目的で、高機能・高品質な黒い服や雑貨だけを集めた店「マックロ」が渋谷に登場した。「格好よく、きちんとした感じに見せたいけど、あまり手間暇をかけずに服を選びたい」という男性が多いことから、オアシスライフスタイルグループが3年かけて開発した。

 流行に振り回されず、体形もカバーしやすく、飽きずに長く着られる黒に着目。「毎シーズン、流行を反映した新作を投入し、何色も揃えるアパレル店の常識に疑問を感じて立ち上げた」。

 色を絞りつつ、着心地や機能性など素材とシルエットにこだわり、撥水(はっすい)・速乾・耐久性などに優れた独自開発素材でTシャツやパンツ、ブルゾンなど9型を作った。洗っても形崩れしにくいニットや、首元がよれないように左肩にファスナーを付けたTシャツなど、10年後も着たい服として提案する。

 「色を絞ることで、在庫の発生や大量廃棄など、アパレル業界が抱える問題の解決にもつなげたい」とする同社は水道会社が祖業。業界の常識に捉われない発想で、ビジネスが成立するのか、環境に優しい店作りを実現できるのか、今後の動向に注目したい。

(陽)



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