《視点》発信の仕方

2024/03/07 06:23 更新


 服を買うためにECやSNSを利用することが浸透した。23~24年秋冬は暖冬の影響で、苦戦したところが多かったが、多くの消費者が商品を買う前にネットで情報収集している。こうしたなか、小売り店は接客を見直すなど、わざわざ来店してもらう意味を磨こうとしている。ある個店は、服とアートを組み合わせた路面店を打ち出し、行ってみたくなるような新店を出した。

 一方、別の個店で興味深い話を聞いた。SNSで仕掛けた注目度の高い商品は、ECを中心に発売日からよく売れるのだが、ECで扱っていない商品を狙いすましたように実店舗で買う客がいるそうだ。もちろんそれなりに注目度が高いブランドではある。ECで販売しない(できない)点をアピールしたわけではないが、それを知っている。

 ECが拡大し、SNSと連動した発信が、特に大手の間で当然のように行われてきた。だがそれに縛られなくても良いのかもしれない。リアルでしか味わえないネタを強調する発信も、以前より効果が見込めると思う。

(畔)



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