ある服飾専門学校の学校長を取材したときのこと。近年は少子化やファッションビジネス業界を目指す学生が減っており、生徒の確保が大変という話をしていたが、その時出たのが「教員の確保も大変」ということだった。
今いる教員は高齢化しており、50、60代も多い。当人だけでなく、家庭の事情などで今後離職者が出る予定もあるという。30代の若手教員もいて、育ってきているものの、「縫製面を学生に教えるにはまだまだ未熟」とのことだった。
学生と教える教員が同時に減っていく。生徒が減っているので、業界に送り出す人数も当然少なくなる。そうすると業界で経験を積んでから、セカンドキャリアとして服飾専門学校での教員の道を目指す人も減る。負の循環である。
その学校は自社で補えない部分は外部の技術者、専門家を招いて、学生に技術と知識を伝えている。知恵を絞り、工夫しながら、優秀な学生を業界に輩出していってほしい。
(森)