元日に能登半島地震が起こり、翌日には羽田空港で飛行機事故があった。正月に痛ましいニュースが続いた。羽田の事故をリアルタイムでテレビで見た人も多いと思うが、火災が強まり、早く脱出してとハラハラした人も多かったようだ。無事、全員が脱出できたが、機内に置いたままの荷物は放棄せざるを得なかったことを気にした人も多かっただろう。
記者もその一人だが、その後バッグブランドを取材するうちに、飛行機事故の直後からスマホショルダーの売り上げがぐんと伸びたという話をいくつか聞いた。事故の映像を見て、大事な物は常に身に着けていなければとの思いで購入に走った客が増えたとのことだ。
身に着けて脱出することの可否は別として、スマホショルダーの購入動機が飛行機事故だったというのは初めて聞く話だった。消費者は大事な物は手放したくないということに切実感を抱いたのだろう。需要の発生要因は意外なところにもある一例だと感じた。
(武)