ある会社の創業者が経営の第一線を退く発表をした。任せられる人材が充実したことが主な理由だが、その説明をしている際に、最愛の妻を亡くしたことについても触れ、大粒の涙を流した。以前、ある取材の機会に、仲むつまじい夫婦の姿を拝見していたので、本当に残念だった。
数年前に別の会社でも、創業者が一線を退いた。同氏も愛妻が突然逝ってしまい、心境に大きな変化が訪れた様子だった。
両社ともに、トップが社員と家族のように触れ合い、愛情を注いで人材を育てている。強みとしてチームワーク力が当てはまる会社だ。当たり前だが、経営トップが社員と絆を深め信頼を得るには、それなりの努力が必要になる。内助の功も欠かせない。
前述の2人を振り返り、まずは自ら夫婦の関係を大切に築き上げてこそ、社員との信頼関係も効果的に築けると感じた。これは経営トップに限った話ではないはず。一番身近なパートナーを大切にするところから改め、社内や取引先へと信頼を広げていくことが大切と自戒させられた。
(畔)