「今、営業の1人がある勉強をしている」。先日、ODM(相手先ブランドによる設計・生産)企業の社長からそう言われた。何の勉強かと聞くと「縫製」だった。1年かけて学んできて、今度縫製作業の技能検定を受験するという。受かったからといって、縫製工員として働くわけではない。営業の現場に出ると、販売先の担当者はほとんどの人が縫製について知らない。だから、自分に技術があれば、イニシアチブを持って営業が出来るし、より良い物作りにもつながるはず。その社員はそう考えた。社長は「大賛成。応援する」と喜んでいた。
昔、カーディーラーに勤めていた知り合いは営業成績が良く、社内で何度も表彰されていた。ただ、元から営業だったわけではない。最初は車の整備士として配属され、数年後に異動で営業となった。才能はあったのかもしれないが、「車の仕組みを知っているから、セールストークにも説得力が出た」と本人は話していた。
押すだけが営業じゃない。色々な営業の形があっていい。「サクラサク」の報告が楽しみだ。
(森)