先日行われた文化服装学院ファッションコンテストの最終審査会は、記憶に残るシーンが多かった。デザイン部門の佳作に選ばれた女子学生が歓びのあまり息をのんだ時もその一つだった。
同校と連鎖校などの在校生を対象にしたコンテストで、今年は2000枚のデザイン画から20人の作品が1次選考を通過し、19人が最終審査に臨んだ。毎年、審査させていただいているが、例年より意欲作が目立った。コロナ禍を経て、学校で自由に学べるようになったことが理由だ。特に3年生は、入学当初から在宅で勉強してきたから、解き放たれたのだろう。なかでもアパレルデザイン科3年生は顕著で、8人も最終審査に残った。
冒頭の学生もその一人。大賞の男子学生も同様で、会場はサポートした学生も含めて大いに沸いた。切磋琢磨(せっさたくま)した姿がうかがえた。学生の情熱は、そのままファッション業界の未来につながる。エールを送りたい。
(規)