《視点》直接、伝える大事さ

2023/04/04 06:23 更新


 最近、トップが直接社員に向けて、企業の方向性や方針を語ることが増えている。特にコロナ下で、オンラインの活用によるコミュニケーション不足や業界・企業に不安・不満を抱く社員が増えたことが背景にある。それが原因で社員が辞めることもある。同じ思いを共有し魅力ある企業にするためには、しっかり方針や思いを伝えることが大事になっている。

 社員の頑張りや努力をきちんと評価し見ていることを伝えることが、モチベーションや会社への帰属意識が高め、離職防止にもつながる。以前のように「分かっているよ」や「分かっているだろう」は通じない。ファッションの人材サポート企業の社長は「コミュニケーションを取ること。評価することはもちろん、課題や修正する点なども直接伝えることが重要になっている」と話す。

 あるレディスチェーン専門店は全社員大会での年度表彰式で、各社員の頑張りに合わせた賞状を作り表彰する。普通は複数の受賞者がいる場合、同じ文面の賞状で初めの社員だけ全文を読み、次からは「以下同文」となる。だが、同じ賞でも「私を見て評価してもらっている」となると、社員の受け止めやモチベーションは格段に違ってくる。こうしたつながりが今は本当に必要になっていると感じる。

(伸)



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