《視点》単館のDX

2022/04/06 06:23 更新


 21年6月に開業したミッテン府中(東京都府中市)。退店した百貨店の跡に居抜きで入ったこともあり、地域の期待は高く、繰り返す新型コロナウイルス感染の波の影響は受けつつも順調なスタートを切った。

 家電のノジマが開設・運営する初の大型施設で、実質、単館として運営されるが、ビックデータで客層を捉え、施策に生かそうとしている。鉄道を利用した西側からの来店は思ったほどではないが、立地する京王線府中駅前、さらには整備されたバス路線を利用するエリアに多い30、40代の子育て世代に支えられていることが分かる。さらに旧店から引き継ぐそれより上の世代の姿も、新型コロナの影響が大きいことも含めて見えているそうだ。

 同館はオリジナルで顔認証のテナントスタッフなどの入退館システムを導入している。ほかの大型SCでの経験が長い栗原郁男館長の発案だそうだが、出入りのあるテナントスタッフの入館証管理の煩雑さを解消したかったという。検温機能も備えているからその履歴はコロナ下にあって有効なデータになってもいる。テナントからも好評で、大手ディベロッパーなどからの問い合わせもあった。DX(デジタルトランスフォーメーション)が単館の運営を支えている。

(光)



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