アクションを起こす大切さを改めて感じている。「同じことの継続だけでは衰退する」。ある縫製工場の専務と久々に再会した時に、このようなニュアンスの話をされていた。依然として低調な衣料品市況のなか、この工場も「従来の仕事は本当に厳しい」という。ただ、厳しさを感じる一方、生き生きとした前向きな印象も受けた。
この工場は縫製の仕事をやりながら、固執し過ぎず色々チャレンジしているようだった。裁断後の余り生地や着古された衣料品を固形燃料や紙に再利用したり、地場の植物から抽出できる成分を生かした素材や化粧品の開発をしたり。そのたびに新たな出会いがあり、繊維以外の情報・知識を得て、刺激を受けているようで、ネットワークが広がっているとのこと。
どんな企業にも際限なくリソースがあるわけではないだろうから、やれることは限られていると思うが、アクションを起こせば、成功だろうが失敗だろうが、何らかのリアクションがあるはず。そのリアクションは次の展開に生かせるかもしれない新しい材料になり得る。アクションを起こさなければ新しい材料すら手に入れることができない。言うまでもないことかもしれないが、自戒も込めて記しておきたい。
(嗣)