《視点》コロナで進歩

2020/11/19 06:23 更新


 ミセスや働く女性を対象にするブランドの社長が「コロナのおかげで進歩した」と話していた。来春からのスタートで活動的なカットソーアイテムの新ラインを出し、展示会に来られないバイヤー向けに商品紹介の動画を作って商談、様々な経費削減もできた、と笑って話す。新ラインは何事もなければ考えなかったと言うが、これまでより若い層の獲得にもつながる。動画は社内で試行錯誤を繰り返して手作り。商品の特徴が分かるよう工夫したという。感染が広がり始めた春は「本当に正念場」と不安を口にしていたが、乗り越える明るい姿勢に記者も励まされた。

 ほかのメーカーではプリント物の受注が好調と聞いた。辛いことの後にはいいことがある、をテーマにしてポップで元気なデザインを揃えたブランドもあった。また別のブランドでは、着る機会がないのが分かっていても買うだけで幸せという顧客がいると聞いた。

 客足も売り上げも戻ってはいないが、ファッションは元気をくれるし、そこに向かって明るく作る人たちがいて、取材で出会えることが幸せだ。

(赤)



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