コロナ禍で思わぬ市場を形成できたのがマスク。昨年までなら大きな需要があったのは、花粉症に悩む人の不織布マスクくらい。布製マスクなどはほとんどゼロだった。ところが現在は、感染症予防のためにマスク装着は当たり前で、あらゆる業態でマスクが販売されるようなった。
この突然の市場形成に後から追いかけているのが、マスク製造の企業だ。「おしゃれなマスクが欲しい」「洋服に合った色目やファッション性」という外観だけでなく「耳が痛くならないゴム」「呼吸が苦しくない形状」や「敏感肌でも苦にならない素材」などといった細かなニーズが増えてきた。もちろん、抗菌・抗ウイルス性や保湿性といった機能も欠かせない要素だ。
この多様なマスクニーズにいかに応えるかによって、ビジネスチャンスが開ける。そして、2000円や3000円という高単価の商品も売れるようになった現在、ニーズを取り込んで適切なマスクを開発し、世に出した企業は思わぬ成功を収めるようになってきた。
どんな時代でも、商品化のヒントは常にあちらこちらにあることを改めて感じた。
(浅)