先日、10年ぶりくらいに出張で上海を訪れた。一番印象的だったのは、おしゃれなアパレル店やレストラン、カフェが非常に増えていたこと。グローバルブランドの、日本にはないような最新モデルの旗艦店もあってとにかく刺激的な街だ。念のため現金を少し持って行ったが使わずじまい。どこの店でも、事前に登録しておいた旅行者用の「アリペイ」で買い物できる。古い記憶を一気に上書きできた出張だった。
中国に詳しい経営者たちの話でよく聞くのが、「中国の情報は少しでも古くなると役に立たない」ということ。デジタルを武器に一足飛びでほかの国を追い越していく中国の変化のスピードはすさまじい。昨日までの常識が今日通用するとは限らない。
日系企業も、「中国市場の今を知りスピーディーに対応すること」が重要だと改めて感じた。人間関係に例えるなら、〝相手〟に興味を持ち真剣に理解しようとすること。よそ者のまま市場から出ていくか、親友になれるかは企業の本気度次第。中国の消費者もきっと見ている。
(石)