ここ1年ほど、性的少数者を意味する「LGBT」や「LGBTQ」を業界でよく耳にする。そんな中、LGBTや支援者に向けた「スネイルズプロジェクト」の安達功さんとベネトンジャパンのダミアーノ・カンナリレ社長がトークセッションを有楽町マルイで開いた。ファッションでの個性や多様性について、両者が思い思いに語った。そこでキーワードとなったのがカラー。シンディ・ローパーが歌ったようにカラーは個性に例えられるが、安達さんが捉える色の概念が印象に残った。
スネイルズプロジェクトが今春夏向けに販売した服は、白と黒だけで作られた。安達さんはそれについて「白は始まり、黒は終わりを意味する」と話す。「白は様々な色に美しく染まり、黒は何にも染まらない。社会や人権の課題にオープンな心で向き合いながら、個性はしっかりと持ち続ける」ことを込めたのだという。
ファッションの定義を一言にするのは難しいが、本来、個を表現するものだと思うし、そうであるべきだと感じる。好きな服を自由に着る。ファッションが豊かな社会に貢献できることはたくさんありそうだ。
(麻)