《視点》聞いてほしい時代

2019/08/27 06:23 更新


 世界幸福度ランキングは、1人当たりのGDP(国内総生産)、社会的支援の充実度、健康寿命、人生の選択の自由、寛容さ、社会の腐敗の少なさを基準に、156カ国・地域の幸福度の順位を国連関連団体が発表している。

 19年はフィンランドが1位。日本は前年から順位を四つ下げて58位だった。旅行案内などを見ると、フィンランドは人の話は最後まで聞くことが必須の国。話を途中でさえぎったり、誰かとの比較はしてはいけないそうだ。お互いの意見や権利を尊重する姿勢が、自由と平等、寛容さにつながっているのだろう。

 この話を聞き、ある婦人服専門店店長の言葉を思い出した。「今はインターネットが発達して情報が飛び交い、時間の流れが速く、誰もがストレスを抱える〝話を聞いてほしい時代〟。接客でも、とにかく話を聞くことが大切。クレームを言う人も話をしっかり聞けば、いいお客様になる。人は人でしか癒やせない。話すことで販売する側も癒やされる」と語っていた。

 実店舗には、ネット販売では代替できない価値がある。今こそ聞く力を磨き、自信をもって接客に当たってほしいものだ。

(陽)



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