イギリス居住が長い会社経営者に取材したとき、こんな話を聞いた。「イギリスでは皆買い物でエコバッグを使っていますよ。持って来るのを忘れると恥ずかしいし、買った食品を腕に抱えて帰る人もいます」
日本でもサステイナブル(持続可能)のムードが急速に広がっている。国内のファッションブランドでも、服の素材や製造工程、ショッピングバッグなどを見直す動きが目立つ。企業側が提案し続けて消費者に存在を認知されれば、「環境に優しい方がおしゃれ」「これがスタンダード」という意識に少しずつ変わるかもしれない。
ただし、サステイナブルをうたった商品にやみくもに飛びつくのではなく、何が本当にサステイナブルなのかを考えないといけない。10年ほど前のエコバッグブームをふと思い出した。手段が目的化しては本末転倒だ。
エコ素材を打ち出そうとして作り過ぎたら意味が無い。真剣に考えて選択する消費者が増えるとともに、企業側のサステイナブル提案も、より本質的なものに進化していく好循環が理想だと思う。
(石)