「セリーヌ」からフィービー・ファイロが去り、エディ・スリマンによる新生セリーヌにショックを受けて〝セリーヌロス〟に襲われている話を前回、ここに書いたら、取材先で今までにない反響があった。
「書いてましたね」「あれ、読みました」程度の話ではあるが、みんな同じようなことを感じていたのね、と改めて確認し合う形だった。記者はそれでさらにロス感が強まってしまった。帰り道、スリマンのコレクションに切り替わる前の最後の商品を見るため、売り場へ。今はもう手が届かないので諦めるしかないが、できれば着たいシャツやセーターがいろいろあり、思いが残る。
この一連の話を社内でしたら、「新しい楽しみを見つけた方がいい」というありがたいアドバイスが。新しい楽しみとは、別のブランドのことだ。確かに、今シーズンわくわくするブランドはある。終わったものにいつまでもとらわれていないで、前に進まなければ。まるで人生の一大事みたいな話になってしまった。でもその新しい楽しみにも容易には手が届かないことが分かり、あまり元気は出ない。
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