先日、群馬県の高崎市に取材に行った。若い世代の流出に悩む地方都市が目立つなか、「珍しく人口が微増を続け、年代別構成比でも40代が最も多く、元気な市。行政も市街地再開発に熱心」とJR高崎駅前の商業施設が揃って評価していた。
高崎市は昨年4月には駅西口から徒歩7分の場所に、世界水準の大会やプロスポーツの試合ができる高崎アリーナを開館。駅東口には来年中に、音楽ホールや群馬交響楽団の活動拠点となるスタジオを備える高崎芸術劇場を開設予定。20年には東口から徒歩圏内に、コンベンション施設も開設する計画で、来街者の増加を見込んでいる。駅前のインフラ整備への投資が活発で、若い人も多く、うらやましい状況だが、「箱はたくさんできるけど、中身と人が問題」との声も聞いた。
隣の前橋市では、眼鏡のジンズなど同市に拠点を置く24社で運営する街作り支援団体と、同市出身の糸井重里氏らが官民連携で今春、岡本太郎氏が制作した太陽の鐘を同市に移設。市民らの寄付で緑地も整備し、前橋再生を象徴する新たな憩いの場として地元で話題だ。両市が協力すれば、資金と器、人とアイデアが揃い、さらに魅力的な地域活性化策も出てきそう。連携の広がりに期待したい。
(陽)