《視点》コンサルにだまされない

2018/09/04 06:23 更新


 技術進歩やECの拡大に合わせて、ファッションビジネス企業でもコンサルタントを起用するケースが増えている。同じコンサルと言っても経歴や技能は様々。彼(女)らをどのように活用するかは、経営にとっては大きな影響を与える。

 特に、技術革新への対応は大きな課題だが、大手アパレル企業といえども専門家は少ない、というかほとんどいない。ミッションを明確に設定し、外部の専門家を充てれば、自前でやるより失敗は少ないはず。ところが、成功例(実は少ない)ばかりではなく、著名なコンサル会社を使ったはずなのに、経営がボロボロになった事例は後を絶たない。

 背景には大きく二つの問題がある。一つは、コンサルに丸投げする経営者の存在。もう一つは、コンサル自身の経験不足だ。前者は論外で、ちゃんとしたコンサルなら丸投げされても困るだろう。深刻なのは後者で、「大手コンサルだから」とか「知識豊富だから」だけでは信用できない。実はアパレルビジネスは全く素人というコンサルも多い。社員に限らず、人を見る、あるいは見抜く目が経営者にとっては不可欠だ。

(矢)



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