《視点》魅力作りの努力

2018/08/08 06:21 更新


 インバウンド(訪日外国人)の増加はとどまるところを知らないようだ。日本政府観光局が調べた18年6月の推計値では前年同月比15.3%増の270万4500人が来日した。6月として過去最高の記録だ。20年の東京五輪を控え、今後もこの傾向は続くと思われる。国内観光客の3倍とも言われる消費力は商店主たちにとって魅力的だろう。

 増え続ける理由は4月以降の円安傾向もあるが、地方空港での航空路線の新規就航や増便も大きな要因だ。過去3年で特に韓国、台湾、香港便の増加が目立つ。これに伴う地方都市の動向は注目すべきだ。

 例えば香川県高松市。訪問者数では大都市とかなりの差があるものの、伸び率は全国1位。名物や名所だけに頼らず、国際的な芸術祭イベントや高松空港の海外便増便や民営化、便利な自動免税カウンターの設置など、呼び込みの努力の結果だろう。

 だがそれ以前に、商店街の未来を見据えた再開発が土台にあったことも見過ごせない。集客には土地そのものの魅力は必須条件。地に足を付けた開発が活性化の近道だと示しているかのようだ。

(樹)



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