《視点》ブランドイメージ

2018/07/06 06:23 更新


 60代の女性の新しいマーケットを探るなかで、あるブランドに取材を申し込んだら断られた。若い人たちを取り込むための戦略を打っているときであり、ブランドイメージの観点から考えると難しいというのが理由だ。

 最近にわかに注目の60代の〝おしゃれライフ〟のキーワードの一つは、ノンエイジだろう。百貨店のフロア分けに、はまるような服でなく、シンプルで気持ちが良くて、自分らしく着られる服。若いころにDCブランドやインポートブランドブームも経験して、これまでいろんな服を着たり見たりした女性たちの判断は、のびのびと自由で、作る側が考えるような〝年相応〟はないようだ。

 取材を断られたのをきっかけに、作る側、売る側が陥りやすい年代分けの壁に改めて気付いた。その年代分けが見える服を、むしろ嫌う人も多いのでは。もちろんブランドイメージは大切にしなければならない。ターゲットを絞った活動が必要なこともあるだろう。でもそのイメージは今、老若男女が「カッコいいよね」と思ってさらにアップするのでは。

(赤)



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